多面評価データの計算処理方法(新考課システム、その原理を明かします)
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従来、多くの職場で行われてきた、直属上司の一次考課者による考課と、その上の二次考課者による考課方式は、結果的に、一次考課者の見解に多くが支配され、その尺度の偏りは、人事部門の悩みであった。そこで、1つの解決方法として、多面評価が注目されてきました。しかし、一人の被考課者を、多数の人が評価することは、その人数倍に、考課データが多くなります。
これが紙面記入式のデータであったら、単純な集計作業であっても、後の処理は大変な作業となる。多面評価の効用は謳われながら、しかし、この多量データをどのように処理するか、その方法論は、過去、誰も提唱されていない。多面考課制度を実施しているという事例からも、この点が見えてこない。結局、多くは、参考データ、牽制データの域を出てないように想像されます。
エトナは、多面評価が、公正な評定に不可欠との考え方に立ち、この多量のデータをどのように処理するべきか、長い年月、取り組んできました。こうすれば、より公正な処理とのアイディアも、技術の進歩があって実現可能なものとなりました。単純な集計にも、初期のパソコンは何時間もかかりました。しかし、今、以下に示す膨大な計算を数秒で成し遂げます。そして、表示機能、プリント出力の色、分解能の向上は、データを図解し、問題が何処にあるか、的確に示してくれます。
多くの評定者が、貴重な時間を費やして出したデータを全て活かす。その前提に立った時、まず、処理すべきデータは、どんな姿をしているでしょうか。この評定データの構造を図解したものが図1です。ここでは、評定項目を二つのグループ、X、Yに分けて、評定のデータを二次元に表示する設定としております。

図1は、1つの職場で、同職位の被評定者を1つの集団として括り、被評定者同士の評定データと、関連する上司評定者集団の評定データを合体したデータの構造を表しております。この集団が、組織の中に複数ある、即ち、図のようなデータが、複数組存在することとなります。横方向の同僚同士の評価データが、図の相互考課データです。その中には、自分が自分を評価する自己考課値を含みます。この値は、集計計算からは除きますが、考課レポートには出力し、自分を観たデータと、皆が観たデータの違いを明確にし、能力開発に、育成指導に活かします。
評定は、パソコン画面上で行いますので、当初から電子データとなっており、入力作業を不要にして、以後のデータ処理を容易にしております。また、評定者は、自分が、被評定者各々を、どのような順位、点差に位置付けたか、項目ウェイトを乗じた自動計算結果のビジュアルな表示で、確認された上のデータとなっています。
(御参考頁 考課入力プログラム)
集められたデータは、誰が、誰に、どの項目で、どんなランク値にしたか、あるいは、回答無しかの情報となっています。このデータに、集計時に加わる変数が、「考課者ウェイト」です。職場で、大きな責任を持ち、評価結果に、昇給、昇格に、部門間調整に最終的な判断、意思決定を行う立場の人をウェイトを大きく設定します。
この元データからは、各被評定者が、どんな評定をされたかだけでなく、各評定者が、評定者として、皆と比べて、甘いか、辛いか、差の付け方が大きいか、小さいかの標準偏差値も算出します。この場合の比較の基準となる値は、前述の考課者ウェイトを効かせて集計した結果を基準値とする方法と、上位役職者等の特定の評定者群を「基準値考課者」と設定することで、その集団の基準値とする方法が選択できるようにしております。

図2は、この多量データが、パソコンの内部で、どんな手順で処理されていくかを図解したものです。まずは、設定されている、考課者ウェイト、基準値考課者によって、考課者の甘辛、標準偏差をチェックするための基準データを計算します。次に、この基準値と比較して、各評定者の甘辛値、平均点の差を、また、標準偏差の違い、比を計算します。そして、最後に、この値で、元の考課データを修正しながら、集計処理を行います。ここでの、甘辛、標準偏差の比較は、各評定者の評定回答した対象に絞って、基準値の方も、同じ対象に対する値を基準値としております。
★ この甘辛調整処理方式は、米国特許 7,024,372 となりました。 ★
(御参考頁 甘辛調整説明)
この処理結果は、各被評定者に対しては、「考課レポート」となって出力されます。多面評価データを活かすことによるメリットは、評価の結果を職員に、明確な形で返すことが出来.ることです。このレポートは、複数の人が評価した結果であり、直属上司のみの見解ではない。従って、このレポートを渡す上司も、自分の評価の弁明は不要。また、評価に臨んで、部下に返すことを前提としたら、厳しい評価はし難いものですが、多面評価では、その気遣いは不要です。多面評価は、この点にも、妥当な評価への可能性をもっております。
レポートを受け取る部下も、上司と相性が悪い場合も、その弊害は弱められる。職場の皆からのメッセージとして、レポートを読み取り、今後への課題を中心に話し合うことができます。評価結果に上司の影響力が薄まることをもって、権力の縮小、下への指導力の減退を危惧される人もおりますが、上司複数の事前人事検討会で、直属上司の見解を伝える等、直属上司の役割は残ります。人事評定権を意識させながら、部下を使うなどは、指導力に問題のある上司でもありましょう。納得性をより高めるには、このレポートの総合点数と給与、賞与との関係が明確であることが望まれますが、その方法は、「独自の考課反映計算方式」をご参照下さい。
(御参考頁 考課レポート)
多面評価データを活かすことによるメリットには、複数評定者の評定データを比較検討できることです。データの全体像としては、「考課者チェックリスト」が出力されます。また、各評定者別には、評定者全体との比較で、「この課長は、この課員に甘い、この課員に辛い」といった、詳細なデータも出力可能です。より妥当な評定結論に導く運用方法として、上位評定者のデータを相互チェック、修正、再計算というプロセスも考えられます。評定者をチェックする、このような機能、関連する各種のビジュアルな出力データ、このシステムの全体像を、評定者に理解させることで、恣意的な評定を抑える作用がはたらきます。
(御参考頁 考課者チェックリスト)
図2の「被考課者設定」は、評定集団の中に、一体化した被考課者に、異種集団を含んだ場合、そのメンバーを除外して計算する場合の設定です。1つの集団を、分けて、各々別途処理することも可能という機能です。「考課者設定」は、考課者チェックリストにて出力される、全体との評定比較で、見解の違いの大きさを表す「不公正指数」が、ある値以上の評定者のデータは、集計計算から除外するといった場合の設定に使います。上位評定者の各階層、課長クラス、主任クラスが、各々、どんな見解を出しているか、どの階層がより妥当な評定をしているか、そんな検討データを出力することにも有効です。この結果を、考課者ウェイト設定の参考にすることも、1つの方法と考えられます。
「調整除外項目設定」とは、販売台数ポイント、有効資格等、多面評価に拠らず決定される項目を設定することで、甘辛調整処理から除外され、設定ランクそのままが点数となります。