甘辛調整計算・やさしく説明・電卓、表計算ではちょっと・・・ 親ページへ移動  システム概要とインティックスページへ

ここでは、システムのプログラムがどのように、甘辛調整計算を行っているか、下の図で説明します。多面考課では、他部門の上司、同僚も考課者となりますが、他部門の上司は、その被考課者集団の全員を知らないため、評価できる対象者のみを評価するということがあります。また、同僚が相互に考課を行う場合、自分を評価したデータは、集計からは除外します。その結果、相互考課者も、集団全員を考課していないというデータとなります。即ち、相互考課者は、皆、考課している対象者が異なるということです。

このようなデータを甘辛調整する時、その考課者の評価した対象者だけに注目し、皆は、その対象被考課者をどう位置付けたかを比較します。図の例では、被考課者の集団としては、全部で5人ですが、木村課長は、その内の三人(井上、佐々原、今川)のみ評価をしたというものです。

 

それに対して、皆はどのように評価しているか、全体の5人のものでなく、3人のデータを取り出します。その結果、5人全体の平均点は96.8であったものが、この3人では、106となりました。一方、その同じ3人を評価した木村課長は、少し辛く、平均点は91、また、順位も今川さんがトップで、次が井上さんと、皆が評価したものとは逆転しています。

甘辛調整をするために、平均点だけを合わせるなら、この平均点の差を、各被考課者の点数に加算あるいは、減算すればいい。この例では、木村課長の3人の点数に、等しく106−91=15の15点を加える方法です。しかし、人事評価における注意事項、中心化傾向データの問題が残ります。それは、真剣に、公正に出されたデータではあっても、点数の高い人と低い人の差を、大きくすることに抵抗感もあって、順位こそ付けたものの、点数差は僅かというデータです。このデータは、皆のデータに集計されると、集計結果の順位を左右する影響力が小さいものとなってしまいます。

そこで、各考課者が、回答した被考課者に、どのような差の付け方をしたか、その大きさを計算します。その大きさを標準偏差といいます。この計算方法を図に示していますが、まずは、各被考課者に平均点から、どれほど離れた考課をしたか、平均点との差を計算します。これを合計してしまうと、プラスマイナスでゼロになってしまうので、それを避けるために、全部を二乗します。それを合計して、人数で割ります。これが、二乗平均です。さらに、それの平方根を計算すると、平均点位置からの離れ具合の平均値が出ます。

これが二乗平均平方根、標準偏差です。この数値の大きい人は、差の大きな評価をしている人、逆に小さい人は、比較の上で、中心化傾向の評価をしている人ということになります。この標準偏差の比、ここでは分布度と呼んでいますが、この例の木村課長は、0.73となりました。

甘辛調整では、まず、平均点を全体の106に合わせます。各被考課者の点数は、元の平均点からの差を、分布度で割って、皆の点数の差のつけ方に合わせます。図の例では、井上さんの平均点より4点プラスは、5.5点プラスに調整されます。佐々原さんは、−18が、−24.7に、今川さんは14が、19.2に調整されます。これで、皆と平均点も、データの拡がり方も合わせられたことになります。この調整では、木村課長の、トップ今川さん、二位井上さんという観方はそのまま活かされます。

−−−−− システムの機能の詳細な説明 −−−−−

図の木村課長の調整データ、この形で集計される、それが甘辛調整です。以上は概念的、原理的に説明してきましたが、実際のシステムではもう少し、内容が複雑になります。一つは、図の説明で、「皆の評価」に関することです。甘辛、標準偏差の比較の基準となる、「皆の評価」をどのように数値化するか。一つの方法として、全考課者のデータの集計結果を基準とする方法があります。この場合、職位の高い考課者の集計への影響力を左右する、「考課者ウェイト」の設定という選択肢があります。

全体を観る、責任ある考課者のウェイトを大きくする、考課者ウェイト設定で、個々の観方のバラツキも、その影響力を調整され、全体の位置付けの基準となるデータが創られ、それを基準に、更に甘辛調整される。その計算結果は、より妥当性の高いデータということができます。ただ、この基準値の集計に含まれる、個々のデータで、一部の被考課者のみ考課回答したデータが、極端に甘い、あるいは、辛かった場合、基準値データの歪みとして、影響が残ります。

システムの集計計算における選択肢には、「基準値考課者」設定という機能があります。部門間調整において、多くの発言があり、広く全体を観る責任者には、考課者としてデータで参加してもらいます。この人の平均点、標準偏差のみを基準値として設定する。全体を見渡す能力において、一つのセクションを預かる課長と違い、全体の位置付けにおいて、バランスも計れる。この基準値考課者の観方は、あくまで、全体的なものであり、この人の観る、人事の、被考課者の序列観も、皆と異なれば、集計の中で変えられます。

上の説明においては、総合点数を直接甘辛調整するように説明しておりますが、実際のシステムにおいては、各考課者の甘辛、標準偏差を求める方法は、説明通りですが、調整計算は、各評価項目データを調整しております。従って、被考課者にフィードバックする、レポートの、各評価項目の点数が、甘辛調整されたデータとなっています。

このシステムにおいては、考課できない項目がある場合、回答できる項目のみの考課を許しております。この場合の処理は、回答された項目の点数で、全項目を考課したという換算をして、各考課者の甘辛、標準偏差を算出しております。

評価は、直属上司らの観方、更に上の上司からの観方、斜め方向からの他部門上司の見方、横からの同僚の観方、その各々には、一長一短があります。このシステムでは、そのことを前提に、職場に合った運用し、各層の観方を合理的に集計しようとするものです。


システム全体像の詳細は、「多面評価の計算処理法」を参照下さい。