いかなる組織、経営、管理が多面評価を可能にするか 親ページへ移動  システム概要とインティックスページへ

○ 日常の相互評価 ○

職場では、人々は、いつも、周りの人と、多くの接触を持ちながら、職務をこなしています。その職務内容を、一人一人、明確に範囲を規定している職場でも、横に居る人と、全く接触無しというケースは少ないもの。その人が不在の時、周りの人は、外部からの問いかけに、代わって答える、あるいは、当事者のスケジュールに基づいた応答をする等が求められます。こうした場面で、人は、意識するしないに関わらず、お互いに、お互いを評価しています。はた迷惑な人、集団、組織への気配りのある人、仕事の仕上がりの悪い人、整理の上手い人、近くに居るために、毎日よく見えています。

○ 上司評価の限界 ○

厳しい経済競争は、多くの職場で、上司と言われる人々にも、プレイングマネジャーであることを求め、部下の指導監督に割く時間を減らしています。従って、上司は、部下の全ての場面を掌握できません。上司への報告、問題の相談を、タイミング良く、いい形で持ってくる部下は、仕事も順調と捉え、評価も高くなります。しかし、同僚の評価と大きく異なるというケース、少なくないようです。

○ 異部門間の評価 ○

営業は、工場に受注を知らせ、客への約束を守るため、必要な情報を伝えます。しかし、情報を受けたメンバーによって、その結果が大きく左右されます。営業から見て、工場の誰に伝えればミスが少ないか、日々、評価しています。工場側では、営業の担当者によっては、顧客重視とは言っても、工程に大変な無理を生ずるような、現場を無視した注文を押し込んでくる人がおります。お客様大事とは言っても、お客様にも理解していただける答はある筈と、その営業担当者の自社現場知識の不足と、営業能力に疑問を持っています。サービス部門でも、特定営業マンの売った顧客からの、クレームの多いことを嘆いています。営業は数字があるから、評価し易いと、表に出る数字のみで処遇が決められていたら、組織を支える、他部門の人達に、モラル低下を引き起こします。悪くすれば、有能な人材を、退職という形で失うことにもなります。

○ 様々な評定者 ○

人が人を評価する、難しい問題です。評価するための確かな物差しが欲しい。誰が評定者となっても、同じ点数が出るような。人事の長い歴史の中で、早くから、そんな物差しの無いことは認識されてきました。そこに登場したのが多面評価でした。一人の直属上司に多くを委ねることに問題があると考えられたのです。しかし、多くが評価に参加すれば、妥当な答が出るのか。この問題は、そんなに簡単ではありません。仕事の出来ない後輩が、経験の長い先輩を観ると、現実と異なり、素晴らしく有能な社員となってしまいます。仕事のできる社員、上司が必ずしも公正な評定者でない場合も多いものです。また、逆に、仕事では、多くを任されていない、補助的な職務を与えられている人が、極めて公正、的確な評定をしている場合もあります。人は、その精神生活の中で、仕事をどのように位置付けているか、他人への関心度合いはどうか、様々です。教育制度、社会の変化によるものか、自分の仕事以外に、周りを観ない人も増えているようです。あるいは、周りが見えないというタイプもおるようです。

○ コンピュータで公正な処理 ○

多くから評定のデータを集める多面評価。それには、データが、以上のような職場、様々な人が生むデータであることを前提で考えねばなりません。多くのデータの中には、偏ったデータ、勘違いのデータ、評定自体を否定するデータ、評定という行為を怖がっているデータも出てきます。これらを公正に処理するルール、仕組みが必要になります。コンピュータは、この問題処理に有効な道具となります。多面評価「公平クン」、このソフトの機能、運用方法は別頁をご覧下さい。ここでは、この多くが参加する多面評価の元になるデータ、一人一人のデータをより妥当なものにするには、どんな組織運営、経営、管理が必要かを述べます。

○ 職場のデータ ○

私企業においては、社員は、自分の働きが、全社の、あるいは、部門の業績に、どのように貢献しているか、知りたがっています。中小企業では、経営数字は機密情報として、社員にも、知らせないという所も多いようです。社員に経営数字など理解できないだろう。儲かっているのに給与が少ないなどの、マイナス反応になるのではとの判断もあるようです。バランスシートの公開はしなくても、「付加価値」、「粗利益」といった数字の公開は、社員の仕事への意識を変えます。バランスシートの見方は難しいが、「付加価値」、「粗利益」、「損益分岐点」は、社員も説明すれば理解します。これらの数字と、社員各々の分担した数字、これを公開することで、評価に臨んで、各々の貢献度合いをより妥当なものにします。営業の数字も、数字がそのまま成績を表さないように、これらの数字も評価にとっては参考データですが、事実をお互いに見ながら評価することが、データの質向上を助けます。同様の位置付けで、比較的取り出し易いデータに、勤怠データがあります。多くの残業時間を使っていても、内容はどうか、周辺の見方も参考になります。生産数量、品質管理データ、これら、職場のデータを、皆に見える形にする。その上での多面評価は、単なる印象に流されない、事実に立脚したデータに近付きます。

○ 縦割り組織 ○

中堅企業の職場でのこと、横に居る社員の職務内容は、全く解らないという社員の声。どういう管理形態なのでしょうか。完全なる縦割り組織で、上司のみ、下の事を観ているというのでしょう。組織の統治方法として、縦に分断しておいた方が、下がまとまって、上に、難しい要求をしてこない。治め易い組織管理方法でもあります。そんな意図があるのでしょうか。多角経営で、お互い異分野を担当したとしても、1つの企業、相互に活かせるノウハウもありましょう。技術の進歩は、社内ネット、イントラネットで、情報交換、公開も容易になっています。一企業は、例え、分野は異なっても、運命協同体、お互い評価し合えるような、管理形態への移行が望ましいと考えます。それが実現して、始めて、多面評価は成り立ちます。

○ 少人数職場 ○

全国に多数の営業拠点を持つが、そのほとんどが、支店長と店員一人といった、少人数構成。しかも地元出身者であり、ローテーションもし難い。この場合、多面評価は出来ないだろうか。確かに難しい職場です。しかし、何年も、同じ上司の下、毎日を過ごす社員のことも考えてみましょう。相性の悪い上司に仕える社員は不幸です。その上、同じ上司からの評価で給与も決まってしまう。時には短期間でも、メンバー交換してみてはどうでしょう。各職場の持つノウハウを伝え合う効果もあります。そして、多面評価も可能になります。マンネリも打破できます。そんな費用はかけられないとするなら、地域をまとめる上位の責任者、本社営業管理者に、評価をも意識した、地域巡回で、多面評価者となってもらう。上司評定者三人設定できれば、考課レポートもフィードバックし易くなります。前述のデータ公開も合わせて取り組むなら、より公正な、社員を安心させる職場へ変えられると考えます。

○ 人材派遣業 ○

技術者など、特殊な技術技能を持つ社員を、必要とする他の企業職場に派遣する、人材派遣業。この業態において、多面評価を成立させるには、一般職場とは異なる工夫が必要になります。安易に、派遣先の担当責任者に、評価を御願いして済むものではありません。技術者の能力も、派遣先のレベルが低ければ、高い評価になる。本籍企業での評価としては、とても、そのまま活かせません。社員相互の評価も、一人しか派遣してない職場では成り立ちません。派遣社員は、その勤務形態からも、自社への帰属意識も弱く、優秀な社員の定着を計るためにも、派遣した後のフォローが欠かせません。このフォローの中に、多面評価を成立させる鍵があると考えます。お互い異なる職場に派遣された社員が、今、何を担当し、どんな成果を上げたか。そんな情報を見られる形にする、紹介し合う場を設ける。そうした中で、相互考課のデータを生み出すことも考えられます。また、派遣先の評価は、メッセージとして、文書情報として、皆に見える形にします。しかしながら、勤務態度、成果などの評価は、離れた職場の日常を、見えない中で行うことの限界があります。国家試験のどんな資格を持っているかなど、営業にも結び付く要素、曖昧さの無い項目にウェイトを高くする、そんな、一般職場とは異なる選択をせざるを得ません。しかし、最終的に、評価の主体、軸になるデータは、複数の客先担当窓口に接触する営業、役員ということになります。

○ 職場を革新するIT人事 ○

多面評価を成功させる経営管理、それは、社員から見て開かれた経営であり、人事データのコンピュータ処理のみでなく、職場の情報管理、情報公開にも、現代の技術進歩、パソコン、ネットなどのより広い活用をを求めています。